Pride(2)

「周りに悪く思われないように」とは確かに大切なスキルです。
職場は仲良しクラブではなく、いろいろな人、価値観も年齢も異なる方々のコミュニティです。
「仕事をすること」を目的として集まったコミュニティなら、その仕事が円滑に運ぶよう、職場内で「悪く思われないスキル」は必要でしょう。
けれど、そこにいる人々は、親友ではないのですから、それぞれの「自惚れ」や「高慢」を理解する必要はありません。よく思っているからを理由に、「自惚れ」や「高慢」を喜んで肯定してくれるわけではないのです。
もちろん他人のそういう「自惚れ」「高慢」を上手に立てて、気持ちよく使ってくれる上司や同僚もいるでしょうが、それを全員に求めるのは無理というもの。

褒められないと不安になるとか、評価されないと不安になるとか、自分の自慢話ばかり聞かされるとうんざりするとか、よく耳にする話です。
私自身、そういう思いを抱いたことが、何度あることか。
けれど、ある日気づいたのです。
プライドの本来の意味について。
自尊心。
自分を尊ぶ心。
その評価基準は、自分の中にだけあるのではないのかということに。

他人を鏡にして、「えらく見える」とか「美しく見える」とか言っているから、その鏡が白雪姫の鏡のように、「おまえは醜い。白雪姫の足下にも及ばない。」とか言い出すと、途端に不安になるのです。
白雪姫の継母だって、白雪姫のお父様を射止めたくらいの妖しい美女だったのですから、そもそも白雪姫と比べる必要なんてなかったのです。
14歳の少女と、何が悲しくて張り合うのでしょうか
そもそも土俵が違うと思うのですが…。
あ、話がそれました。

つまり自尊心は、自らが評価者であり評価基準も自らの中にあるものですから、そのことを日々自分に言い聞かせ、よくできたと思えば自分をしっかり褒めてやり、だめだと思えば自分を叱りしていれば、他人に振り回されることなく、ずいぶん生きやすくなるのじゃないかと思うのです。
前述した困りもののプライド「自惚れ」や「高慢」も、自分による自分の評価が確立していて、他人から「綺麗だね」とか「立派だね」とか「すごいね」とかの賛辞を受けなくとも、あるいは「ぶすだね」とか「さえないね」とか「イタイよね。」とかのマイナスの言葉を浴びせかけられようと揺るがないのであれば、それは立派な「自尊心」ではないでしょうか。
もちろん独善的にならないように、他人の意見を聴くことも大切ですが、それはあくまでも参考意見であって、最終的に評価をくだすのは他人ではなく、自分です。
そうすると、仕事に手を抜いたり、身だしなみをさぼったり、そういうことが減るような気がします。
あの人がどう思うか、あの人に何を言われるかとか、そんなことのために身だしなみを整えるのは苦痛ですが、自分が納得する身だしなみを整えると決めると、鏡に向かうのが楽しくさえなるはずです。

自らを尊ぶ。
プライドを高く心に掲げて、生きやすく生きてみませんか。

Pride(1)

「あの人はプライドが高いから。」とか、
「私、プライド高いんで。」とか、
日常会話でよく出てくる言葉「プライド」です。

この言葉を国語辞典(goo国語辞書)で引くと、

誇り、自尊心、自負心

と出てきます。

同じ言葉を、英和辞典(デジタル大辞苑 小学館)で引くと

自尊心,誇り と、ここまでは国語辞典と同じですが、追加で、

自慢(のたね),得意,満足;高慢,うぬぼれ;得意の姿

とあるんです。

そういえばと、思い出したのが、ジェーンオースティンの長編小説
Pride and Prejudice
これ、邦題は「高慢と偏見」でしたよね。

前振りが長くなりましたが、つまりプライドには2種あるということが言いたかったのです。
ひとつは、他人に何を言われようと、どんなに良い条件を出されようと、譲れない一線を守るとか、自分が自分であるために譲れない価値観というか、他人に向かって口にしたり見せびらかすことはせず(結果的に相手が感じたとしても)、自らの心に高く掲げるもの。
そんな自尊心。

もう一つは、根拠もない(主観的には根拠があるのかもしれないけれど)のに、「自分は他人より優れている」とか「自分は美人だが、他人はそうではない」とか、多様な価値観があってもそれを認めることはせず、自らの価値観のみをすばらしいものと訴え、「そんなものはくだらない」とか「だめだ」とか、他人に向かって口にしたり態度に出したりする「自惚れ」や「高慢」。

周りでいわれるプライドは、どうも後者のものが多いような気がします。
皆々、後者のプライドを、多かれ少なかれ持っているのではないでしょうか。
もちろん私自身も。
この後者のプライドの厄介なところは、「傷つきやすい」ことです。
他人に薄ら笑いを浮かべられたとか、鼻を鳴らされたとか、ぞんざいにあしらわれたとか。
他にはそうですね。
自分の意見を無視されたとか、自分の仕事を高く評価しないとか、社会に出るといろいろと、傷つくことが多いです。
で、そこで皆言うのです。
「あの人(例えば上司、友人等)は、他人のプライドを傷つけるよね。」
「自分がどれだけのものだと思ってるんだろう。」
「あの上から目線、むかつく。」
傷つくことが多いと、社会で生きていくのは苦しいです。
それが嫌だから皆、周りに悪く思われないように、昨今はやりの「コミュニケーションスキル」(コミュ力)を磨こうとするのではないでしょうか。

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年長の部下に注意する

ある企業様にて、「コミュニケーション研修」に登壇してまいりました。
契約社員から正社員へ登用された方々と、新卒で正社員採用されて5年目の方々の混在メンバー対象です。
皆様に共通していたのは、技術系設備系の部署に所属なさっておいでで、年長の部下をお持ちであるということでした。

アンガーマネジメントによる叱り方から、部下のタイプ別の叱り方をご紹介した後、部下のお困りごと傾聴のRPGとDESC法(他人を傷つけず自分の言いたいことを伝える方法)による伝え方RPGを全員に演じていただきました。

他のメンバーの演じる様子を見て
「あ~、これ、俺には言えないわ。」とか
「なるほど…。うまい。」とか
それぞれに気づいた点も出てくる様子で、回を重ねるごとに演者の思いの伝わりやすい対応に変化していったのが印象的でした。

その前提として、他者を理解しようとする姿勢が大切であるという点をお伝えいたしました。
今回は60代の時代背景のみを扱いましたが、すべての年代について時代背景と傾向を考えることができれば、年長の部下だけでなく、どの年代の部下、あるいは上司とのコミュニケーションにも対応できると感じたことです。

 

さて、ここからは雑記。
この企業様の研修開催地は大阪なので、前日の打ち合わせを兼ねて、念の為前泊で臨みます。
宿泊はいつも同じ、駅直通の便利なホテルです。
大阪へ行くといつも食べたくなるおうどんを夕食に、朝はホテルのブレックファストで出陣(笑)いたします。
写真は夕食のこぶうどんです。


広島にもおうどんのおいしいお店はあるのですが、大阪でいつも思うのが
「たっぷり!大きい!」
ということです。
このお昆布の量、大きな梅干し!
朝食のバイキングでは、現在高値のグレープフルーツが惜しげもなく、並んでいましたから。
さすが食の街、大阪というところです。
いつ来ても気持ちの良い街です。
また近々伺う予定ですので、次はきつねうどんをいただきます!