生きていると、穏やかな日々ばかりではありませんよね。
家庭内のトラブル、仕事上のトラブル、人間関係、家族の延長線上にあるトラブル(妻の夫の仕事関連の交際、子供の学校関連の交際、義理の家族との交際等)等々、おそらく何もない人などいないのではないでしょうか。
私たちは我慢することを美徳として、育てられています。
だから何かあっても、
「こんなの大したことじゃない。忘れよう、気にしない。」
と自分に言い聞かせて、耐える。
そしてつもりつもって、だんだんに塊が大きくなって弾ける。
弾けた先にあるものは、離婚であったり、離職であったり、とにかくあまり気持ちの良い終わり方ではないものです。
今日は、そうならないようにする予防法について、心の3点支持を提案することにします。
3点支持
耳にされたことは、ありますか?
元々は岩登りの姿勢に使う言葉で、4肢のうち3肢で身体を支え、残る1肢を移動のために自由にする安全姿勢のことです。
脚立や梯子、電柱に登るような高所作業が必要な業界では、よく聞く言葉です。
3点で身体を支えれば安定する。
これ、心の安定にも使えるなあと思ったのです。
働く人の多くは、起きている時間の半分以上を職場か通勤時間に使っています。
仕事が終われば、疲れて自宅へまっすぐ帰るか、そうでなければ仕事仲間と一杯飲んで帰ろうかとなるのが、よくあるパターンでしょう。
この人の所属するコミュニティ(共同体)は、1つまたは2つです。
まず職場。
家族がいる場合、これに家庭が入ります。
1つのコミュニティにしか属していない場合、人間関係や価値観の醸成等がすべて1つのコミュニティに従属しています。
そこで人間関係がこじれたり、何かトラブルがあったりすると、そのことばかりを考えてしまいます。
けれどもう1つコミュニティがあったら、少しは楽になります。
そこは、職場のコミュニティとは違う人員による構成だからです。
そして職場が仕事をすることを目的としたコミュニティであるのに対し、家庭は家族で生活することを目的としたコミュニティであり、集まる目的が違うので、うまくいけば職場のトラブルによるストレスを軽くしてくれる場合もあります。
但し、あくまでも「場合もある」ということです。
生活には、手間暇、お金がかかるもので、そこにはそれなりのトラブルがあります。
家族である分、他人より遠慮のない生の言葉をぶつけ合い、さらにストレスがたまる場合もあるということです。
そこに、第3のコミュニティを持つメリットがあります。
第3のコミュニティとは、仕事をするためでも生活するためでもない、生きる為にどうしても必要というわけではない目的のための共同体。
一番わかりやすいのは、趣味でしょう。
草野球、サッカー、格闘技、テニス、バレーボール等のスポーツ。
書道、絵画、音楽、文芸等のアート。
料理、手芸等の実用的なもの。
趣味とは少し違いますが、ボランティア活動なんていうものもあるでしょう。
このコミュニティを持つと、仕事にも生活にも関わりのない人たちが相手なので、気持ちを楽にして話すことができるような気がします。
そしてこの3つめのコミュニティは、「好きだから、やりたいからやる」が基本姿勢なので、「楽しいまたはやりがいがある」のが前提です。
そしてその良いところは、興味の対象が増えれば所属コミュニティをもっと増やすことができるし、興味がなくなれば削ることもできる点です。
気楽に楽しみながら、社会と関われる。
この3つめのコミュニティを複数持てば、「3点支持」による心の安全を保てるようになります。
働くということは、起きている時間の半分以上を職場で過ごすということです。
働いてお金を得なければ、生活できないのがほとんどの人ですから、職場のコミュニティに、よくも悪くも影響されるのは仕方のない事でしょう。
生きるのに必要なコミュニティだからこそ、悪い時でも、上手にうけながしたいものです。
心の平穏を保てれば、受け流すのがそれほど難しくはありません。
「そこにいて良い場所」が、他にもどこかにあるからです。
ご家族とうまくいっている方も、保険のためにお考え下さい。
第3のコミュニティ。
かなり良い仕事をしてくれますよ。