コロナウィルス騒動、まだまだ続きそうな気配ですね。
今日は、外で働く人々を支える、家の中で働く人々のストレスについて考えてみます。
家の中、家族間では、遠慮がない為、考える前に自分の思いをそのまま出してしまいがちです。
そして身近な存在であるがゆえに、「私をわかっていて当たり前」と思いがちなので、自分の考えや思いと違うことを言われると、かちんとくるようです。
例えば、夕食のテーブルで。
子供「え~。今日、あじの開き?
こんなの、夜食べるものじゃないよね。」
夫 「ママ、オムライスでも作ってやれよ。」
妻 「………。ごめんね、買い物行ってなくて。」
子どもは、自分が食べたいものを、ママならわかってくれているはずと思っているので、自分の苦手なものが出てくると、いらっとします。
夫は、外で仕事をしてきて十分ストレスを受けている自分を、妻ならもっといたわるべきと思っているので、家庭内のつまらない出来事(夕食の不満)でわずらわされて、いらっとします。
この二人は、いらっとした怒りを、「自分の思いをわかるべき」と思っているママに対してストレートにぶつけています。
それに対して、このママはできたママなので、「ごめんね」と受け止めてくれています。
本当は謝る必要なんてないのに。
私見ですが、出された夕食に文句があるのなら食べるなと思いますのに。
このできたママが買い物に行っていないとしたら、何か事情があったのかもしれません。
でもこのママは、言い訳するでもなく「ごめんね」と受け止めてくれています。
なんとできたママでしょう。
上の事例は、いささかできすぎママかもしれませんが、ほとんどのママ(パパ)が多かれ少なかれ、上のような理不尽な家族のイライラに耐えているはずです。
彼ら彼女らは、知っているからです。
自分の事情を声高にぶつけたところで、家族のわがままな自己主張がおさまるはずはないことを。
余計に面倒なことになることを。
だから「もういいや。」と自分が悪者になるのです。
これを恒常的にやられたら、けっこうなストレスですよね。
それでも今までは、朝になれば家族は外出してくれましたから、少しはほっとすることもできました。
ところがこのコロナウィルス騒動です。
家族が自宅にいる時間が増えれば、彼ら彼女らのストレスも増大します。
家族は相変わらず「ママは自分のことをわかってくれているはず」と思い込み、自分の思いをストレートにぶつけてくるし、食事、洗濯、掃除の手間も、いつもより増えるでしょう。
休校による子供たちのストレスとか、テレワーク推奨による自宅勤務とか、普段外に出ていく人々の変化については、よく取り上げられますが、是非とも考えていただきたいのは、日ごろから家の中の仕事をしてくれる人々の変化についてです。
してくれるのが当然。
わかってくれて当然。
家族ではあっても別人格です。
あらためて、その思い込みを考え直してください。
そうすれば、このたびのウィルス騒動で、自分たちがいかに彼ら彼女らに面倒をかけているか、気づくはずです。
彼ら彼女らに、きつい言葉を放つ前に、
「してくれて、ありがとう。」
をまず言ってください。
その後で、自分の希望を伝えれば、彼ら彼女らを追い詰めることはないでしょう。
上の例で言えば、
「ママ、ごはんありがとう。
明日はお肉がいいな。」
とか。
コロナウィルス騒動に揺れる今、自宅で顔を突き合わせる時間が増える分、家族間のストレスがたまりがちです。
普段外で働いたり、学校へ通ったりしている皆様、ぜひぜひ家の中で働く人たちへの配慮を、お願いいたします。