カタカナ言葉を使うならTPOを考えて

 

昨日だったか、9月始業制について東京都知事が語った言葉に、

「来年にしますと、モメンタムをなくす。」

というのがありました。

小池百合子都知事にとって、モメンタムという言葉は彼女自身の語彙として、しごく当然のものなのでしょう。
けれどその言葉を聞いた時、違和感を覚えたのは、おそらく私だけではないだろうと思っていましたところ、やはり。
今日のワイドショーやら、ネットの記事等に、あまり好意的ではない扱われ方で出ていました。

要点は1つ。

「来年にしますと、勢いをなくす。」

これでは、どうしていけないのでしょうかということです。

 

ビジネスの世界でも同じようなことがあります。
よく聞く言葉を例に挙げます。

ミッション(使命)
ハンドリング(操作)
サマリー(要約、まとめ)
アジェンダ(議題)
アサイン(割り当て、任命)
アテンド(世話をする、介添えをする)
リスケ(予定を取り直す)

日本語で話せば、誰にでもわかるものを、あえて英語(しかも単語)にする。
それがある集団においての共通言語となっている場合、そうしなければコミュニケーションがとれませんから、従う必要があるでしょう。
言葉は符牒のようなもので、集団ごとにある程度の特殊性を持つと思うからです。
その集団に属する仲間であれば、共通言語を使わないわけにはいかないことでしょう。

けれども異なる共通言語を使う集団の中では、慎むべきです。
その集団に属する人々の、理解できる言葉で、語られるべきです。
言葉は自分の考えや思いを伝え、相手に理解してもらうために使うものだからです。

時々お目にかかるカタカナ言葉を乱発する人、それも相手や場所を選ばずに。
あまりかっこいいものではないと思うのです。
相手に自分の考えを理解してもらおうと思うより他の、何かしらの感情が透けて見えるような気がするからです。