サラリーマンをしていた頃、周りの方々のおっしゃっていたこと。
「サラリーマンは、良いよ。
一人でやるのって、それはそれは大変なんだから。」
サラリーマンであった頃、わかっていたつもりでした。
それが「つもり」であったことに、今気づいています。
もちろん収入の安定と不安定などは言うまでもないことですが、それ以外のことも思っていたよりたくさんありました。
想像力は、多くの場合実体験による実感に劣る。
独立してみて、何もかもを自分ですることになって、会社組織のありがたみを知ったというところです。
その1つの例、害虫駆除。
梅雨入りしたせいか、急にむしむしと湿度の高い、暑い日が続いています。
そうなると、うちの事務所も害虫駆除をしておかないとと思い立ち、先日ノンスモークのバルサンを3缶、買ってきました。
噴霧後、掃除機をかけて拭き掃除をしたら、お風呂上がりのような汗、汗、汗。
着替えて、ヘロヘロになりながら帰宅して、思い出したのが、かつて勤務していた会社で数カ月に1度周知された「害虫駆除のお知らせ」でした。
「〇月〇日(土)に、害虫駆除を行います。
食べ物や食器類等は、片づけておいてください。
駆除の後、使用される際は、洗ってお使いください。」
もう少し丁寧な文体だったと思いますが、概ねこんな感じです。
暑い最中、会社のお休みの日に、汗でどろどろになりながら作業してくれていた人たちがいたのだなと、今更ながら感謝しています。
「そんなこと、今更なに言ってんだ。
考えたらわかるだろ?」
そんな声が聞こえそうです。
ええ。
当時だって、知らなかったわけではないのです。
感謝していなかったわけではない。
でも今の感謝とは、深さが違う。
想像力は、実感に劣る。
少なくとも私の場合は、そうでした。
汗だくの害虫駆除で決意したこと。
誰かに何かをしてもらったら、たとえそれがお金を払ってしてもらったことであっても、丁寧に丁寧に、心からお礼を言おう。
ほとんどの場合、その誰かは、私にはできない丁寧さで作業をしてくれているのだから、心からの敬意と感謝を言葉にしようと。